袖振れ合うも多生の縁351~ノンフィクション「冥界からの電話」、死者から電話ってほんと!?(Ⅱ)

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前回に引き続き、佐藤愛子さんの『冥界からの電話』です。著書の帯にありますように、信じるも信じないもあなたの自由です。
さて、前回は死んだひふみという女の子の霊が、高林先生という霊魂の研究者にして医師の説得で、この世に別れをつげあの世に旅立ったところ迄でした。彼女の霊魂は無事あの世に行き着けたのか、ひふみから電話がなく、高林先生は、「やっぱり本当に行ったんですなあ・・・何も言ってきません」と佐藤愛子さんに述懐し、安堵しているけれど一抹の寂しさを隠せないようでした。
しかし数ヶ月後、電話がかかってきたのです。しかもお兄ちゃんを媒介にしてではなく、ダイレクトに自分からかけてきたのです!

そして彼女の語るところによれば、先生に呼ばれてる気がしたので電話したと言うのです。そう言われてみると、ひふみちゃんどうしてるかな・・・と高林先生はぼんやり思っていたような気もするのです。彼女は地上にいる人の気持ちに呼応出来るようになっている・・・と些か感心したのですが、そんなことよりもっと感心した、いえ感嘆した、いえ感動したのは彼女が霊界より上の階層である神界にいるようなのです!

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高林先生は夢中になって神界の様子を聞き出そうとしました。そんな先生の矢継ぎ早な問いかけの最中、電話が唐突に途切れてしまいました。根掘り葉掘り聞かれてひふみは戸惑い、交信を打ち切ってしまったのでしょうか。

神界のことをつぶさに知りたくて、高林先生はひふみからの電話を待ち続けていました。数週後かかってたのですがひふみではなく、兄からでした。
「ひふみちゃんからの電話を、ずっと待ち続けてたんだ。」
そう意気込んで言い、いい歳した男が若い女の子からの電話を待ってるなんて、ヘンな風にとられちゃマズイとの思いが横切り、

「いや、私はあの世のことを、霊界や神界のことを知りたいだけなんだ。だからひふみちゃんからの電話を待ってたんだ。私は心霊現象を科学的に研究してるからね。」

その時です。電話の向こうからシクシク泣く声が微かに聞こえて来たのです。
兄の、いえ、ひふみの泣く声が聞こえて来たのです。

「先生、わたしはね、わたしは今まで、先生はわたしと話をするのが楽しいから、それで相手をしてくれているのだと思っていました・・・そんな心霊の研究のためにわたしの相手をしていたなんて・・・ちっとも知りませんでした・・・わたし、先生とお話しするのが楽しかったから・・・生きてた時も、死んでからも、先生とお喋りするのが、大好きだった・・・先生と喋ってると、やっぱり昔生きてた頃のことが思い出されて楽しいの、楽しいからしゃべってるだけ。それだけ・・・」

「あのね、ひふみちゃん、聞いてくれる・・・」高林先生は言葉を続けようとしましたが、ひふみは聞かず、
「これで終わり、もうおしまい・・・。」

哀しげな寂しげな少し怒ったような泪声を最後に、電話は切れてしまいました。
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そして数ヶ月・・・ひふみからも兄からも電話はかかってきませんでした。
あれで終わりなのか?あれって一体なんだったのか!? 高林先生の心にふと疑いの気持ちが浮かび、疑惑の黒雲は急速に翼を広げ、本当に死者からの電話だったのかを検証してみたくなったのです。そこで、ひふみが亡くなった交通事故の記事が新聞に載っていないかをつぶさに調べましたが、死者を出した事故なのにどの新聞にも全く記事になっていませんでした。それならと先生は、警察上層部にいる知人に事故の有無を問い糾したのですが、該当する事故はない!との返答でした。それだけでなく兄、舟木圭太郎はK大医学部に在籍しているとのことだったのですが、K大問い合わせるとそんな学生はいないと言う。又、兄からかかってくる電話は番号非通知で教えてくれと頼んでも、その内いつか・・・といつも逃げてしまうのでした。
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これはもしや、嘘???と訝った高林先生は、友人で精神科医の池上先生に相談したのです。すると池上先生の見解は、ミュンヒハウゼン症候群、俗に言う<嘘つき病><法螺吹き男爵病>を患う人物の仕業の可能性大だと言うのです!? ミュンヒハウゼン症候群とは、法螺話が面白く法螺吹き男爵として読み物にもなっているミュンヒハウゼン男爵の名をとった心の病いで、自分が吐いた嘘が本当のように思えて、虚構を現実として生きる精神病なのです。
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しかも池上先生は、「女一人の仕業だ。ひふみと名乗る女が兄との二役を演じているんだろう。」と推測するのです。

「一切合切嘘、すべて、全部、何から何まで嘘だったというのか!? そんな、そんな、ひふみちゃんがそんなことを!? 私がひふみちゃんの為に東京ばな奈を供えたのをあの子は言い当てたじゃないか! お芝居でそんなこと出来る筈がない!」

高林先生は納得出来ませんでした。佐藤愛子先生と繰り返し何度も話し合いましたが、どうにも真相を推し量ることがでないのです。そんな訳で愛子先生は、『冥界よりの電話』を書き上梓し、広く意見を求めておられるようです。
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ほら、著書の装幀は、この写真では分かりにくいですが、渦巻き模様になっていて、疑惑が渦を巻いていることを表そうとしているのです。ですから、次回は私なりにこの騒動を分析してみたいと思う次第であります。ではでは。

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