袖振れ合うも多生の縁368~与謝蕪村の句「菜の花や 月は東に 日は西に」と「菜の花の沖縄日記」のカンケーは?~

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菜の花の季節にはまだ早いのですが、春よこい、早く来いの心境なのでしょうか、ワタシのアタマに「菜の花や 月は東に 日は西に」という句が浮かんで来ました。いや、前回謡曲「羽衣」で満月のことを書いたから・・・というのもこの句を呼び起こした原因のひとつなのでしょうか。という訳で、今回のブログは「菜の花」2題です。先ず『菜の花 月は東に 日は西にの句ですが、この句は江戸時代の画家でもあり俳人でもある与謝蕪村によって詠まれました。
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安永3年(1774年)、蕪村が神戸市灘区にある摩耶山を訪れた時の句です。西の空に夕日が沈む頃、空は茜色に染まり、摩耶山から見下ろすと一面に黄色い菜の花、そして東の空を見やれば月がぽっかりとおぼろに浮かんでいる・・・こんな景色ほワタシはまだ見たことがないのですが、菜の花が咲いている春、東に月、西に夕日、月と太陽が共に見える状況は、一体いつ頃でしょうか。又、この月はどんなお月様なのでしょうか?
tenki.jpによりますと・・・

この句は、安永3年(1774年)3月23日に詠まれたといわれています。当時は旧暦でしたから、今の暦で考えると5月3日になります。しかし月の位置を詳しく調べてみると、この日には実際に、東に満月、西に夕日が見えてはいませんでした。菜の花が咲いている時期で、東に満月、西に夕日が見えるのは、旧暦の3月10日~15日くらい、今の暦でいくと、4月20日~4月25日となります。つまり、蕪村は実際に旧暦の3月23日に、東に満月、西に夕日を目にしてこの俳句を詠んだのではなく、その10日くらい前に見た光景を思い出しながら、3月23日にこの句を詠んだのではないかといわれています。(「日刊☆こよみのページ」2009/04/09号)

それから、この月についての説明もありました。それもシェアさせて頂きますと・・・

太陽が西に沈む夕暮れ時に、月が東に見えるということは、その月は満月です。つまり、地球を挟んで月と太陽が、ほぼ一直線に並んでいるということです。これは菜の花が咲く春だけでなく、雪が積もる冬でも、紅葉がきれいな秋でも言えることです。ただ、この3つの星がピッタリ一直線に重なってしまうと、月食になってしまいます。反対に、夕暮れ時に月が西に見えれば、それは三日月です。月も太陽も西の方角にあると、月の一部にしか太陽の光が当たらないので満月にはなりません。つまり、この句の月は満月ということになります。
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ところでワタシは生まれも育ちも葛飾柴又・・・じゃなく神戸なんですが、摩耶山の麓に菜の花畑なんてありません。昔はあったんやろか? そう思い調べてみますと、摩耶山がある神戸市灘区では、昔は菜種油を生産するために菜の花が栽培されていたそうです。当時のこの地は一面の菜の花畑が美しかったとか。へぇ、そら知りませんでした。
さて、お次は「菜の花の沖縄日記」ですが、沖縄でも菜種油を栽培していて、この日記はその原料である菜の花の栽培記録・・・というのは真っ赤な嘘でありまして、菜の花というのはある女の子の名前なのです。下の写真は著書ですが、著者の坂本菜の花という名前は芸名ではなく本名だそうです。
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この本についてのあらましは、上の写真の帯を読めば、ほぼお分かり頂けますが、出版社ヘウレーカのHPによりますと・・・
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「菜の花の沖縄日記」について書く前に、出版社の「ヘウレーカ」という社名をワタシは初めて目にしましたので、調べてみますと、同社の操業ご挨拶に・・・

2018年に創業したばかりの出版社です。社名のヘウレーカとは、古代ギリシアの科学者、アルキメデスが「アルキメデスの原理」を発見した際に叫んだことばといわれています。日本語にすると「あ、そうか」「わかったぞ!」という意味です。読書を通じて、そのような体験をしてもらいたい、という思いをこめてこの名前をつけました。「あ、そうか」の前には問いがあります。一人ひとりがそれぞれの問いについて考え、それをだれかと自由に共有できる社会、一人ひとりの問いが大事にされる社会。そんな社会であるために、小社は、さまざまないと発見、人々の対話を生みだすきっかけとなるような本をていねいにつくっていきたいと考えています。

と書かれていました。「ヘウレーカ」ってギリシャ語だったんですね。この創業趣旨はまさにワタシにとって「ヘウレーカ!」です。そして「菜の花の沖縄日記」は、様々な問いと発見をもたらしてくれると思いますので、同著についてヘウレーカ社のHPをシェアさせて頂きます。

高校生になったら沖縄で暮らしてみたい。
そう考えた少女、坂本菜の花は、15歳で故郷・石川県を離れ、ひとり沖縄にやってきました。
高校は無認可学校「珊瑚舎スコーレ」。
クラスメートがお互いをサポートしあい、ともに成長する場が学校、教員はその手助けをする存在。そんな教育方針を掲げる珊瑚舎で、彼女はさまざまな人に出会い、経験を積み重ねていきます。

ユニークな授業、併設する夜間中学に通うおじいさん、おばあさんとの交流、街で出会った人との何気ない会話。そんな日常を楽しみながら、しかし一方で、基地のある島、地上戦のあった島ゆえの現実にも真正面から向き合い、自分には何ができるのかを深く考えます。その貴重な記録が本書です。

本書のもとになっているのは、北陸中日新聞で2015年4月~2018年3月まで31回にわたって連載された「菜の花の沖縄日記」。それに卒業後の文章3本と、珊瑚舎スコーレの星野校長、遠藤事務局長との座談会を加えて1冊にまとめました。

「菜の花の沖縄日記」は連載時から静かな反響をよんでいましたが、あるとき、沖縄テレビのディレクターの目に留まります。沖縄の基地問題をこれまでとは異なる方法で伝えたいと考えていたディレクターは、彼女を主人公にドキュメンタリー番組「菜の花の沖縄日記」を制作。その番組は「地方の時代映像祭2018」のグランプリに輝き、全国でも放送され、話題となりました(映画化され、2020年2月に沖縄で、4月には東京で、その後順次、全国公開の予定です)。
それと同時に、この原作である北陸中日新聞の「菜の花の沖縄日記」にも注目が集まり、書籍化を待ち望む声が多数あがりました。

日記に出てくる沖縄の歴史や言葉、時事的な問題については注もつけました。
沖縄にはじめてふれる人にとってもわかりやすい内容で、中学生、高校生、菜の花さんと同世代の若い人たちにもぜひ読んでほしい一冊です。

まえがき

Ⅰ 沖縄日記

目をひらいて、耳を澄まして

2015年4月~2016年3月
おじい、なぜ明るいの?
三線、もっと弾きたい!
一年の振り返りの日
悔しい、でも楽しい。ハーリーに燃えた6月
「がんまり」で生きていることを再確認
島を守る小さな叫び
辺野古きっと希望ある
戦争は、人を守らない
まだ見つかっていない家族の遺骨
海を越えて見えること
違う空気を吸って元気になる
昼の生徒と夜の生徒で作り上げた舞台
自分の核をつくりたい

2016年4月~2017年3月
アンテナを張って自分の場所で生きよう
なぜ、繰り返されるの?
お供えが並ばなくなったら……
必要とされる働き手になりたい
白装束を着て、神人になった夜
私の軸ってなんだろう?
月を見上げて生きよう
また、どこかで会おうね
あの世のお正月を体験
一緒につくることのむずかしさ
私と沖縄がつながった

2017年4月~2018年3月
記憶を風化させてはいけない
初めて知ったハーリーの醍醐味
どうすれば自分ごとにできる?
心地いい金細工の音、いつまでも
どう自立するか考える
どんな社会を望むの?
石垣のいま、耳傾ける旅へ
事故のたびに浮かびあがる現実
なぜ明るいのか、そのわけ

Ⅱ  沖縄を離れてからも

追悼 翁長雄志さん
辺野古で涙がとまらなくなった
あなたもわたしも無力じゃない

Ⅲ 珊瑚舎スコーレゆんたく  星野人史×遠藤知子×坂本菜の花
学校は一つの文化。それを体験することによって
人間が解放されていく。そういう学校にしなくちゃいけない

著者について
坂本菜の花(さかもと・なのはな)。1999年、石川県珠洲市生まれ。中学卒業後、沖縄の無認可学校「珊瑚舎スコーレ」に進学。2018年3月卒業。現在は実家の宿を手伝う。ときどき家出してあちこち訪ね歩く。好きなことは畑作業とつまみ食い。

これをお読み頂ければ、大体どんな本かお分かり頂けると思いますが、目次項目を赤字にした、<おじい、なぜ明るいの?><なぜ明るいのか、そのわけ>についてだけ、書き添えてみます。
坂本菜の花さんは、沖縄に住むようになり、先ずこう思ったそうです。
多くの人たちは、米軍基地のあることを必死に反対しているのに、全く聞き入れられないし、米軍関係の人間による犯罪など嫌なニュースが多いのにもかかわらず、出逢ったおじい達はよく冗談を言い、笑わせてくれるのです。どうしてこんなに明るくいられるんだろう? このことが不思議です。なぜだかわかりません。
そして3年後、菜の花さんはこう結論づけておられます。なせ明るいか。それは明るくないとやっていけないくらい暗いものを知っているから、だと思います。粘り強さには明るさと楽しさがくっついているんだと思います。
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19歳の菜の花さんが、このように感じた沖縄の暗さと明るさを、77歳のワタシもじっくり考えてもみようと思います。
学校で菜の花さんは下級生から菜あ姉(なあねえ)と呼ばれているそうです。

なあなあ(呼びかけ)なあねえ(菜あ姉)、ねえねえ(呼びかけ)なあねえ(菜あ姉)、なあなあ(適当)やのうて、ヤマトンチューのおじいもよーんなぐわぁ(ゆっくり)考えてみるさあ。にふぇーでーびる(ありがとう)。

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