袖振れ合うも多生の縁388~シリア内戦の殺戮は果てしなく哀しく・・・~

グラフィック・ノベル『ZENOBIA』は、シリア内戦で故国を捨てざるを得なかった少女の物語です。

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先ず、シリア内戦が勃発した経緯について、「honcierge(ホンシェルジュ)」という現代社会の様々な社会的課題を5分で分かるようにわかりやすく解説してくれているHPからシェアさせて頂きますと・・・

2011年3月から始まった「シリア内戦」。
きっかけは2010年末から2011年のはじめにチュニジアで約1ヶ月間続いた「ジャスミン革命」と呼ばれるものです。
26歳の青年モハメド・ブアジジが、政府への抗議を表すために焼身自殺を図り、20年以上大統領を務めていたベン・アリーが亡命、政権は事実上崩壊しました。抑圧的な独裁者が長期政権を敷くアラブ諸国に、大きな影響を与えます。
エジプトではその数日後から反政府デモが発生。翌2月には30年以上続いたムバラク大統領の独裁政権が倒れ、リビアでも40年以上続いたカダフィ政権に終止符が打たれました。これら国境を超えた大規模な反政府運動を「アラブの春」と呼びます。アラブの春の波はシリアにも届きました。

シリア・アラブの春1.jpg
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初期はデモ行進やハンガーストライキなど市民による抵抗運動でしたが、毎週金曜日におこなわれる礼拝のたびにインターネット上でデモが呼び掛けられ、運動は過激化していきます。
2011年3月15日、シリア各地の都市で一斉にデモがおこなわれ、抗議者と治安部隊が衝突。この日がシリア内戦の始まった日だとされています。
反政府側の要求は、すべての政治犯の釈放と、抗議者を殺害した者への裁判の実施、令状なしで容疑者を拘束できる「非常事態法」の撤廃、汚職の根絶、さらなる自由です。政府側は、政治犯の釈放や非常事態法の撤廃、内閣の辞職など要求の一部を受け入れて譲歩を示しましたが、市民の行動は収まりません。政府側が軍を投入して鎮圧を図ると、市民も武装して対抗するようになりました。
さらに政府軍の大佐だったリヤード・アスアドが離反し、「自由シリア軍」という反政府武装勢力を結成。兵士たちも次々に合流しました。

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「政府」対「市民」という構図から、「政府軍」対「反政府軍」という構図へ発展し、シリア内戦が深刻化していったのです。

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ホンシェルジュの解説には記述されていませんが、下図のようにアメリカ及びロシアの他、諸外国や様々なテロ組織が絡み、シリア内戦は代理戦争の様相を呈していて複雑怪奇なのです。

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内戦が始まってから8年が経った2019年3月15日に発表された、英国で活動する反体制NGOのシリア人権監視団の報告によりますと、シリア内戦による死者は約37万人、難民は約1300万人にのぼると考えられています。内戦前の人口が約2250万人だったので、実に約6割の人が難民になっている計算で、その後も犠牲者の数は刻々と増加し続けているというのが悲しい現実です。

上記死亡者数(2011年3月15日から2018年12月10日までの7年9ヶ月間に確認された死者総数は36万7965人)の内訳を調べてみますと・・・
市民:11万1330人18歳以下の子供2万819人、18歳以上の女性1万3084人
死亡した民間人11万1330人の死亡状況の内訳は・・・
●シリア軍、親政権民兵が殺害:4万3575人(うち男性2万7171人、子供1万166人、女性6238人)
●シリア軍の爆撃で死亡:2万5581人(うち男性1万6196人、子供5742人、女性3643人)
●シリア当局が拘置中に死亡:1万6063人(うち男性1万5874人、子供125人、女性64人)
●ロシア軍の爆撃で死亡:7988人(うち男性4853人、子供1936人、女性1199人)
●米主導の有志連合の爆撃で死亡:3709人(うち男性2080人、子供942人、女性687人)
●トルコ軍の攻撃で死亡:836人(うち男性539人、子供181人、女性116人)
●トルコ国境警備隊の狙撃で死亡:415人(うち男性303人、子供75人、女性37人)
●反体制諸派の殺害:7807人(うち男性5894人、子供1185人、女性728人)
●ダーイシュの殺害:5356人(うち男性4517人、子供467人、女性372人)
なお、シリア当局の拘置所で拷問によって死亡したとされる約8万8000人、ダーイシュ(シリアを中心に活動するテロ組織)に拉致された行方不明者5200人以上、シリア軍兵士・親政権民兵の行方不明者4700人以上、反体制諸派、シャーム解放機構、ダーイシュなどが拘置している政権支持者2000人以上など、消息が確認できない者は上記の内訳に含まれていない。

イスラーム主義者を含む反体制諸派、シリア民主軍などのシリア人戦闘員:6万3561人
離反将兵:2619人
シリア軍将兵:6万5048人
親政権シリア人民兵:5万296人
親政権外国人民兵、シーア派民兵:8049人
旧シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)、トルキスタン・イスラーム等、ジュンド・アクサー機構、ジュンド・シャーム機構、ハドラー大隊、チェチェン・シャームの兵、そのほかレバノン人、イラク人、パレスチナ人、ヨルダン人、アラブ湾岸諸国出身者、北アフリカ諸国出身者、エジプト人、イエメン人、イラン人、アフガン人、スーダン人などの戦闘員:6万5108人
身元不明:279人

シリア内戦の死者1.jpg
シリア内戦5.jpg
政府軍にも反政府軍にも、それぞれを支援する諸国にも、それぞれの言い分はあるのでしようが、国内に留まっている国民が4割とはまさに国家崩壊の危機ではないのでしょうか。何とかならないものか・・・切歯扼腕するばかりのワタシなのです・・・。

ではでは、次回はそんなシリア内線に翻弄されたひとりの少女のものがたり『ZENOBIA』をご紹介させて頂きます。

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